入院や治療でかかった費用は所得控除の対象になります

事故などで手術を行ったり、病気で入院したりと、個人事業主には予期せぬ出費がつきもの。思いがけない出費は経営に大きなダメージを与えるので何とかしたいものです。

年間の医療費が大きかった場合には、医療費控除を受けることが可能です。医療費控除の対象となるのは、年間で最大200万円。計算式は以下のようになっています。(2015年現在)

実際に支払った医療費の合計金額-保険金などで補填された金額-10万円

保険金などで補填された金額、というのは、生命保険に入っていることで降りた保険金や健康保険で支給された高額療養費など。また、最後の10万円というのは、総所得金額が200万円未満の場合には総所得金額×5%の額になります。

さて、この医療費控除についてなんですが、個人事業主本人の医療費だけ対象になるわけではありません。本人と生計を一つにする配偶者や親族のために医療費を払った場合でも医療費控除の対象とされています。この場合に対象となるのは、あくまで「納税者本人が」支払った医療費です。

例えば、妻が怪我をしてあなたが入院治療費を払ったとか、家族が入院していて治療費をあなたが支払っているとか。家族がたくさんいる場合には医療にかかるお金も馬鹿になりませんから、医療費控除についてはちゃんと計算して控除を受け、節税に励みたいものですね。

家族が多い場合には医療費の領収書もすごく多くなってしまうケースが大半だと思うんですが、確定申告をして医療費控除を受ける場合には領収書の保存義務が5年間あります。領収書が多すぎるからといって勝手に処分したりせずに、ちゃんとした場所に保存しておきましょう。

医療費控除に含まれる入院費用

○入院中に病院で出された食事の費用は入院代に含まれるので医療費控除の対象となります。

×入院中に出前をとって食べた食事費用は医療費控除の対象とはなりません。

×入院中に外食した場合の食事代は医療費控除の対象とはなりません。

○付添人に支払った付添料については医療費控除の対象にできます。

×親族に支払った付添料については医療費控除の対象とはなりません。

×本人の都合による差額ベッド料は医療費控除の対象になりません。

×家族の都合による差額ベッド料も同様です。
(自分の意志で特別室を希望した、なんていう場合にはその分の医療費は控除されないということですね)

×入院時に使う生活必需品の購入費用は医療費控除の対象とはなりません。(パジャマを新しく新調したとか、歯磨きセットを購入したとかそういう場合です)

×医師へのお礼は対象になりません。看護師でも同様です。(医師へのお礼に菓子折りを購入した場合などですね)

入院費給付金などを生命保険や健康保険組合から貰った場合には、医療費からその金額を差し引く必要があります。一般的には生命保険などから給付される分で手術費用などはかなりの割合が相殺されるケースが多いと思います。なので、国税庁のタックスアンサーに掲載されている上記のような例は、生命保険に入っていなかったとかそういう場合に該当する人向けっていう感じなのでしょうね。

歯科治療での医療費控除

×歯科治療において一般的な支出水準を大きく超えるような場合には医療費控除の対象になりません。

○歯科治療において金は一般的なので対象になります。

○ポーセレンも控除の対象になります。

○歯科治療に伴う通院費は医療費控除の対象になります。

○子供の歯科治療に伴う親などの交通費も通院費として考えられています。

×自家用車で通院した時のガソリン代などは医療費控除の対象になりません。

その他の費用は?

×人間ドックの費用
×健康診断の費用
ただし、人間ドックや健康診断の費用が医療費控除として認められないのは特に異常が見つからなかった場合です。もしも何らかの疾病が発見されて治療に移行した場合には、健康診断や人間ドックも治療の一部として考えられるので医療費控除に含めることができます。もちろん、発見された疾病を治療しなかった場合には控除対象外ですが。

×サプリメント
健康維持や美容目的でたくさんのサプリメントが販売されているので誰でも1つや2つは購入しているのではないでしょうか?でもやっぱりサプリはサプリというわけで病気などの治療をするものとは認められずに医療費控除の対象外です。

×健康食品
健康食品も、サプリメントと同じ考え方によって医療費控除の対象とはなっていません。

×予防接種
「予防」は「治療」ではないので控除することができません。

【参考】

上記では医療費控除の概要についてお話ししました。年間で使用した医療費について、ある程度は所得からの控除が可能なのできちんと領収書を保存して記録しておくと節税につながる、ということでした。

では、実際にどのような医療費について控除対象となっているのか、それがわからなければどれを申告したらいいものか迷ってしまいますよね。法令ではちゃんと医療費控除の対象が書かれているので見ていきましょう。

  • 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
  • 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
  • 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価
  • 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価
  • 助産師による分べんの介助の対価
  • 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

・・・など。

法令ですので若干表現は難しい物を使っているわけですが、日常生活で病気治療・入院治療するに当ってかかる費用についてはほぼ医療費控除の対象になっているといっていいでしょう。大体の医療費については最初に挙げた「医師または歯科医師による治療または治療の対価」に含まれているでしょうから。

医療費控除に含まれないものについてはあとでページを変えて説明しようと思っているのですが、医療費に含まれるのかどうかよくある疑問の中で簡単なものをいくつか出しておきます。

・風邪薬は医療費控除の対象か?
風邪薬は医療費控除の対象となっています。

・ビタミン剤は医療費控除の対象か?
ビタミン剤は病気の予防や健康増進が目的となるので医療費控除の対象にはなりません。

・マッサージで対象とならないことはあるのか?
疲労、体調の回復を目的としたマッサージは医療費控除の対象になりません。

マッサージとか整体についてはどちらかというと疲労回復目的で通っている人が多そうですから、ここの部分については確定申告の際に気をつけたいところですね。

医療費控除を受ける場合の確定申告においては確定申告書に領収書を添付するか担当の税務署員などに提示することが義務付けられています。

セルフメディケーション税制

2017年から創設されたセルフメディケーション税制についてはこちらのページを参照してください(個人事業主の確定申告時医療費控除の対象にならないものとは?)。

また、国税庁のセルフメディケーション税制についての解説も参考に。

 
 
また、現在はe-Taxによる確定申告書の提出が増えてきているわけですが、この場合には領収書の記載内容をパソコン上で入力して送信することになっています。

e-Taxを利用した場合には5年間は医療費の領収書を保存する必要があります。これは、税務署長に確定申告期限から5年間その領収書について確認する権限が与えられているためです。

医療費については人によっては毎年の領収書が膨大な量になってしまうというケースも少なくないでしょうが、保存義務があるのでちゃんと無くさないように保存しておいてくださいね。

他に医療費控除の対象とならないものは?

他にもこれはどうなの?という感じになりそうなものがたくさんあるので例を挙げていきますね。

・ホワイトクリーニング
基本的に医療費控除というのは治療目的での出費に対して認められているものですので、歯のホワイトクリーニングについては医療費控除の対象となっていません。ホワイトクリーニングがOKだったら普段使っている歯ブラシや歯磨き粉もOKということになってしまいそうですもんね。

・歯列矯正
美容目的で歯列矯正を行う場合には医療費控除の対象外。子供のかみ合わせ治療での歯列矯正は治療になるので控除可能。また、大人がかみ合わせ治療として歯列矯正を行う場合には恐らく診断書などでの確認などが必要になってくると思います。この辺は所轄の税務署に問い合わせしたほうが確実でしょうね。

・入院時の差額ベッド代
歯列矯正の時と同じ考え方で、差額ベッド代そのものは治療に関わる出費ではないので医療費控除の対象外です。逆に、医師が治療のために必要であるとして特別室などに入っていた時の差額ベッド代は医療費控除の対象になります。

・入院時のテレビ代
入院中には恐らく1000円とかのテレビカードを購入して視聴することになると思うのですが、テレビはあってもなくても治療には直接関係するものではないので医療費控除の対象外です(いや、やっぱり娯楽があるのとないのとでは精神的なストレスが違うから治療結果には大いに影響するのです!・・・と訴えたい)。

 
こうした医療費控除のような経営者ではなくても一般の人が使うような節税策というのはインターネットや書籍でも簡単に学ぶことができるわけです。

もちろん、これ以上の節税を求めるというのであれば税理士の助けが必要ですけど、少なくとも「誰もが使う」ような控除については自分自身で勉強しておいても損はありません。

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